マイライフ日記「彼の生きる道」第1回

開始、そしてとんでもないサプライズ。試合終わるまで気付きませんでした
SSじゃなくて記録文章になってるー!!
……恋人候補が出れば、また変わりますよ。多分
甲子園の最後は、ライバルの左打者によってもたらされた。

それから半年、彼は宮崎の地に居た。
西武ライオンズから高校生ドラフト4位指名を受け、希望していたプロ野球選手への道が開けたのだ
渡辺久二軍投手コーチから与えられた課題は、「新たな変化球の取得」
入団時にマトモに使えた変化球は、チェンジアップのみ。球速と、ストライクゾーン全体を使える
コントロールの2つで高校まで戦ってきたのだから、ある意味仕方ない。
そんな状態の彼にコーチが教えたのは、スライダー。それも、彼が現役で投げていたタイプの物。
それをキャンプ中に身につけた事が、この後の、とんでもない記録の伏線となる。

オープン戦、彼はセリーグの三球団相手に、獅子奮迅の働きを見せる事になる。
3試合で被安打1、二戦目に福留相手に許したシングルヒットのみである。
この活躍を見た伊東監督は、彼の開幕一軍を即決する事となる。

ペナント開幕後、しかし彼の出番はなかなか回ってこなかった。
試合が常に接戦で、彼の出る幕が無かったのである。
ようやく初登板となった4月2日ロッテ戦。先発の帆足が4回6失点の大乱調を見せ、降板した所からの登板だった。
ここで彼は、新しく学んだスライダーをメインとした投球で、残り4回を零封する(千葉マリンだった為、ロッテ後攻め)
この投球から、先発ローテーション入りが決定。次戦は、4/7、札幌ドームでの日ハム戦となった。



札幌ドーム全体が、にわかにざわめく。
マウンドに立った彼だけが、そのざわめきの外に居るようだった。
7回裏、3人目の打者としてバッターボックスに立った3番小笠原が、一塁ベースからベンチへ戻る。
これでアウト21個目。残るは6人
日本ハムの先発だったリーは、5,6回の猛攻で既にマウンドを去っている。
マウンドから戻ってくる彼に対して、周りが微妙によそよそしい。

8回裏も、彼は淡々と投げ続ける。ここで、ようやく周りのざわめきに気付く。
何かが起こっている。それも、自分の投球に関してだ。
その回も、なんとか三人で締める。が、流石に体力が底をついた。
「どうだ、まだ行けるか?」
監督が、声をかけてくる。「正直厳しいですが、7点も貰っているんだから、頑張ります」
その言葉を聞いた監督が、一瞬顔に疑問を浮かべて……その後は、いつもの表情に。
「そうか、任せた」それだけ呟く。

9回裏、スタンドからとんでもない歓声が聞こえた。ビックリする体力も、今は無い
高校時代覚えたチェンジアップ、渡辺コーチから教えて頂いたスライダー、そして直球
炭谷のミット目掛けて、それを投げるだけ。
7番打者、8番打者と打ち取り、9番打者の紺田がバッターボックスへと歩いてくるのを見る
あと一人で初勝利……その思いだけを抱いて、直球を内角ギリギリに放った。

バットへ当たった球は、フラフラと三塁側へと飛んでいき……中村のミットへと、収まった

「試合終了ー!! プロ初先発にして、なんと! 完全試合パーフェクトゲーム達成ー!!」

……はい?
その言葉に驚いて、尻餅をつく。ベンチから、フィールドから、チームの皆が駆け寄ってくる。
もう片方のベンチでは、日本ハムの選手が、半ば呆れたような、驚いたような表情。
その後は、やたらモミクチャにされた記憶しか無かった



初先発にして完全試合、そんな滅茶苦茶な記録から、彼、安達の野球人生は始まった。

現在の能力
球速:145km/h
コントロール:117(E)
スタミナ:62(D)
変化球:Hスライダー1、チェンジアップ1
特殊能力:対左打者2

……リセット、してませんよ? いやマジで